コカ・コーラ、世界的な砂糖離れに大苦戦。「健康志向」に乗れない企業は潰れていく

最近コカ・コーラを飲んだのですが、あまり美味しく感じませんでした。それはコカ・コーラ(カロリー0)と言う人工甘味料を使った商品だったからかもしれません。

コカ・コーラは糖分が多く、カロリーが高いと言う世評が広がり、通常商品(砂糖を使用)と同じ値段でカロリー0(トレハロース使用)の商品販売をして、イメージの改善を図ろうとしているのでしょう。


コカ・コーラ、世界的な砂糖離れに大苦戦。「健康志向」に乗れない企業は潰れていく=鈴木傾城

MONEY VOICE 2019年5月30日 より

190530_cocacola_eye-700x336.jpg

コカ・コーラ社は莫大な広告費をかけて主力のコーラを宣伝しているが、炭酸飲料は世界的に売れなくなってきている。人々の嗜好は変わったのか?状況をつぶさに見ると「変わった」というしかない。(『鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編』鈴木傾城)


マクドナルドが嫌われ者に?健康志向はマリファナも後押しする


「肉フェス」に猛抗議する人々

2019年のゴールデンウィークに、東京と大阪で「肉フェス」という肉料理に特化したグルメイベントが行われていた。2014年から開催されているこのイベントは累計来場者数は630万人を超えるものになっている。

ところが、このイベントに対して「筋金入りの反対者」が抗議デモをしていた。

ヴィーガン主義の人々である。ヴィーガンとは日本語で「絶対菜食主義」とも言われているのだが、「絶対」とあるように動物の肉も魚も卵もいっさい食べない徹底した菜食主義者を指す。牛乳も飲まない。

彼らが「肉フェス」のイベント会場の前で、残虐に殺された動物の写真を並べて「動物を殺してほしいですか」「ヴィーガンになろう」「搾取から脱却しよう」と訴えていたのだった。

欧米でも、肉屋の前で「動物を殺すな」と過激な抗議活動をして、賛同よりはむしろ顰蹙(ひんしゅく)を買っている。しかし、世界中で彼らの主義主張はじわじわと広がっており、実際にヴィーガンの食生活を試す人も多い。

絶対に肉を食べないという極端な食生活をライフスタイルとして取ると、普通の食生活ができなくなり、生活に不便をきたす。しかし、ヴィーガンは増えている。

彼らのためのレストランや食材の提供も静かに増え続けている。これは、ひとつの潮流だ。

コカ・コーラ、炭酸飲料が売れずに苦慮

ところで、別の潮流も起きている。炭酸飲料離れ、砂糖離れだ。

コカ・コーラ社は世界有数の国際炭酸飲料企業だが、2018年9月にあるイギリスの企業を51億ドル(約5,700億円)で買収することで合意した。その企業とは「コスタ・コーヒー」である。

コスタ・コーヒーは日本には上陸していないので、あまりよく知られていないのだが、スターバックスに次ぐ規模を持ったイギリス最大のカフェチェーンである。欧米から中東までを網羅している。

それにしても、炭酸飲料が主力のコカ・コーラ社がなぜコーヒーだったのか。

その理由は、主力である炭酸飲料の不振が長引いていることにある。アメリカだけでなく、世界中で同じ傾向がある。コカ・コーラが、かつてよりも「飲まれなくなってきている」のである。

砂糖まみれの炭酸飲料であるコカ・コーラは「身体に悪い」というイメージができつつあり、人々は無意識にそれを避けるようになっている。

人々があまりにも「砂糖まみれ」の飲み物を避けるので、コカ・コーラも人工甘味料に切り替えて砂糖を使わない製品を揃えるのだが、そうすると今度は人工甘味料が健康に悪いと槍玉に挙げられる始末だった。

コカ・コーラ社は莫大な宣伝費をかけて主力であるコカ・コーラを宣伝しているのだが、その宣伝力にも関わらず、炭酸飲料を売り込むことに苦慮している。

人々の嗜好は変わったのか? 状況をつぶさに見ると「変わった」というしかない。

人々は明らかに「炭酸飲料離れ、砂糖離れ」を起こしているのだ。それがゆえに、コカ・コーラ社は対策を急いでいる。その対策のひとつとして「コスタ・コーヒー」の買収がある。


マクドナルドも「脱ジャンクフード」への舵切りを迫られている

コカ・コーラはアメリカの象徴ともなる企業だが、アメリカの象徴と言えばもう一つ誰もが思い出す企業がある。それはマクドナルドである。このマクドナルドを巡っても、大きな潮流が生まれてきている。

マクドナルドは、今もなお成長を続けている企業だが、今このマクドナルドが新しい挑戦に見舞われている。


「シェイク・シャック」や「ベアバーガー」のような、独自のポリシーを持つバーガーショップがマクドナルドの領分を侵食しているのだ。独自のポリシーというのは、素材へのこだわりや、健康志向の人たちに対するオーガニックなメニューの拡充である。

マクドナルドのハンバーガーは今も「ジャンクフード」の代表なのだが、こうした新しいハンバーガー店はもはや「ジャンク」ではなくなっている。

さらに、2019年5月2日。ひとつのバーガー企業がIPO(新規株式公開)したのだが、取引初日で価格を吹き飛ばして192%の上昇となるほどの盛況ぶりだった。ビル・ゲイツやレオナルド・ディカプリオが出資するこの企業は何か。

「ビヨンド・ミート」という企業だ。


この企業の作る「ビヨンド・バーガー」には大きな特徴がある。それは、まったく牛肉を使っていないにも関わらず、牛肉を使ったハンバーガーと同じ味と食感を再現した「代替肉」だったのである。

今、誰もマクドナルドに興奮していない。ビヨンド・バーガーの方に興奮している。これは、「健康志向」が生み出している大きな潮流であることが分かる。


マリファナもまた「健康志向」

今、欧米ではマリファナが大きな市場を作り上げようとしている。

日本では今もマリファナは「危険ドラッグ」「犯罪物質」扱いなのだが、欧米ではもうすっかり時代が変わっていて、タバコやビールに変わる新たな嗜好品のひとつとして捉えられているのである。このマリファナにまつわる欧米の熱狂は、以前にも書いた。

【関連】大麻ビジネスに乗り遅れる日本、世界はマリファナ巨大市場の誕生でハイになっている=鈴木傾城

マリファナは日本で喧伝されているほど害のあるものではない。欧米では医療ハーブとして捉えられており、実際に医療にも取り入れられている。日本が意識を切り替えられない間に、欧米はどんどん先に突き進んでいる。日本人の「出遅れ」は致命的ですらもある。

ところで、このマリファナもまた「健康志向」という潮流から支持されていると聞くと、ドラッグ事情を知らない多くの日本人は驚くかもしれない。

欧米では今までコカインやメス(覚醒剤)のようなケミカルなハードドラッグが蔓延していた。さらに中国から材料が何か分からないような合成麻薬まで入り込んで、ドラッグの世界は凄まじく危険なものになっていった。

そして、アメリカではドラッグと同じくらい極度の依存を生み出す鎮痛薬「オピオイド」が蔓延して大きな社会問題となっている。

だからこそ、マリファナはアンダーグラウンドの危機的な状況を救う救世主のように扱われているのだ。


マリファナは科学で生み出されたものではなく、自生する草(グラス)であり、ハーブでもある。マリファナもまた「健康志向」が生み出している大きな潮流に乗ったものだった。


「健康志向」という人類共通のテーマ

・ヴィーガンの台頭

・炭酸飲料離れ、砂糖離れ

・ビヨンド・バーガーと代用肉

・マリファナへの支持

これらの出来事は同時代に起きているものだが、ひとつひとつは「互いに関係のないもの」に見えるかもしれない。


違う。すべて、その根底にひとつの共通した大きな潮流がある。

それが「健康志向」というものである。健康志向と聞くと、実に個人的で些細で大したことのないテーマのように見える。しかし、それは正しい認識ではない。

「健康志向」は、今までの「ハイテク」「エネルギー」「金融」と同じくらいの重要度で注目される人類共通のテーマになる。

医療の発達、文明の発達、インフラの進化、環境への関心。これらは人間の寿命を可能な限り伸ばす方向に向かっている。すでに「人生100年時代」は目前まで来ており、実際に100歳まで生きる高齢者も爆発的に増えている。


100歳まで生きることが意識されるようになると、人々はアンチエイジングや病気にならないための食生活やライフスタイルに関心を持つようになる。

そして、高度情報化社会で人々は「身体に良いもの、悪いもの」を選択できるようになっている。

その選択が、マリファナや、代用肉や、炭酸飲料離れや砂糖離れを引き起こすようになっており、その先鋭化した存在としてヴィーガンを生み出しているのだ。

それが、大きな潮流となって未来(ビヨンド)に向かっている。

そのため、今後は「健康志向」に沿って、商品や企業形態を変えられる企業が生き残ることになる。そして、この「健康志向」という巨大テーマにうまく乗った事業家や投資家が、次の時代の金持ちになっていく。


この記事へのコメント

この記事へのトラックバック